具体的な教育方法
理学療法を行う前には、理学療法士による姿勢の評価や動きの評価、身体の硬さや筋力などの評価を行い、その結果に基づいて実施する理学療法の内容を検討して実施します。そこで本学では、第一に理学療法士によるさまざまな評価が正しくできる能力を身につけることに重点をおいています。
１．トップダウン評価のできる理学療法士を養成する
理学療法士による評価には、トップダウン過程の評価とボトムアップ過程の評価があります。本学では、トップダウン過程の評価を正しくできることを目標にしています。しかし、教育内では学生に習得させることが難しいとされていますが、本学ではこの評価過程を正しく習得させています。このトップダウン過程の評価をきちんと習得することで、患者さんの姿勢や動作から短時間で適切な問題点を見つけ出すことができ、決められた時間の中で適切な対応ができる「治せるセラピスト」になれると考えています。
トップダウン課程による評価では、患者さんが日常生活で困っている動作をより基本的な動作へと細分化します。そしてその動作を観察することで問題点を予想し、それに対する検査や測定を行ないます。そして、その結果から実施する理学療法を導きだし実践します。
２．留年生０、臨床実習・国家試験合格に向けての対策
本学科では「治せるセラピスト」になりたいとの思いを持って入学してくれた学生さん達に、できる限り最短（４年間）で理学療法士の免許を獲得してもらうことを目標にしています。そのため、本学科の学生さん達に勉強しやすい環境を用意しています。
下の図は、本学科の様々な教育について示しています。横軸は参加者数、縦軸は獲得するレベルです。本学科の大きな特徴は、①寺子屋、②国家試験模擬試験、③OSCE、④附属診療所実習、の4つです。
① 寺子屋とは、身体の構造や機能を学ぶ解剖学や生理学といった基礎的な分野の教科において、１年生と２年生を対象に行っている補講です。昼休みなどの空き時間に小テスト形式で行いますが、少人数の学生に対して教員が教える勉強会形式でも行っています。
② 国家試験の模擬試験とは、授業で学習した範囲の国家試験を参考に教員が問題作成して行ないます。間違えた問題には解説集(下のノート画像)の作成を課題とし、4年生全員の国家試験の合格を目指します。
③ OSCEとは、実技の能力を確認する試験です。1年生では問診、筋の走行を示す実技、２年生では関節角度や筋力などの検査測定の実技の授業を行います。これらの実技の知識や技術を客観的臨床能力試験（OSCE:
Objective Structured Clinical Examination）で、理解力と実技力を把握します。OSCEでは、教員や他学年の学生が患者役になり、実際の患者様を想定して実技の試験を行います。１･２年生は年４回程度のOSCEを行っています。成績が合格点（70%）に到達するまで補講と再試験を行い、確実な技術の体得を図っています。
④ 附属診療所における実習
関西医療大学附属診療所は、大学に併設されています。そこでは、本学科の教員が理学療法士としても勤務していまる。この利点を大いに利用して、学内診療所でも授業で学習したことを実際の臨床場面で体験できます。
